Pirates of the Caribbean(2003/米)
監督 ゴア・ヴァービンスキー
(製作/ジェリー・ブラッカイマー)
キャスト ジョニー・デップ
オーランド・ブルーム
ジェフェリー・ラッシュ
キーラ・ナイトレイ

カリブ海の港町。総督の娘エリザベスは、子供の頃に父と航行中、海賊船に襲われた船を発見。気を失って船に助けあげられた少年ウィル・ターナーの介抱をする。ウィルが身に付けていたドクロマークの金貨を見つけ、彼を海賊の一味だと思ったエリザベスは、好奇心から金貨を奪って自分のものにする。それから8年後。エリザベスは美しい娘に成長し、ウィルは港町の鍛冶屋で仕事をしていた。そんなある日、港町を黒い海賊船が襲い、エリザベスは海賊に捕らえられてしまう。エリザベスに心を寄せるウィルは、船を奪おうとして捕らえられていた伝説の海賊ジャック・スパロウ船長と共に、黒い海賊船の後を追うのだが…。

ウォルト・ディズニーの「カリブの海賊」をベースにした映画。実際、ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」で見たようなシーンが随所に出てくる。
監督は「ザ・リング」のゴア・ヴァービンスキー、製作は「パールハーバー」「ザ・ロック」「アルマゲドン」などのジェリー・ブラッカイマーと言う事で、ストーリーより特殊効果が売りの娯楽作か、とあまり期待をしていなかったのだが、特殊効果以上にキャラクターの個性が際立っていて予想外に面白かった。
中でも、伝説の海賊ジャック・スパロウを演じたジョニー・デップは、これまでの映画のキャラクターとかけ離れたコミカルな役柄の上にアクションまで披露して今までのイメージを打破。役者としての実力を発揮したと言える。「ロード・オブ・ザ・リング」でレゴラスを演じ一躍有名になったオーランド・ブルームも、「ロード〜」の時よりも激しいアクションをこなし、ジョニー・デップにひけを取らない好演を見せた。しいて言えば、ゾンビのCGが「ロード〜」等に比べるとお粗末な感じがしないでもないが、ジャック・スパロウの過去やウィル・ターナーの正体など、謎を含んだストーリーに惹き付けられてCGもそんなに気にならない。

個人的にジョニー・デップファンの私としては、「ジョニー・デップファンならこの映画は見るべき」と言い切ってしまおう。今までにない、しかもとても魅力的なジョニー・デップに会える。ジャック・スパロウというキャラクターは、ひょうきんでいい加減かと思えば意外にいいやつだったり、かと思えば敵なのか味方なのか分からないと言う、この物語のミステリアスなキーマン。今までの「頭はいいけどネクラ」系とか、「薬でぶっとんでる」系のキャラとはまったく違う役柄だけど、ジョニー・デップが見事にはまった演技をしている。
ベースが「カリブの海賊」だし、アドベンチャー映画として娯楽作の域は超えないが、子供から大人まで楽しめる、まさにアトラクションムービーと言った感じの映画である。

おすすめ度/★★★★★