ぐうたら大学生のキョヌはある日、地下鉄で泥酔いの「彼女」と出会う。容姿はキョヌの理想そのものの「彼女」。しかし、電車の中で老人に席をゆずらない若い男を叱咤し「ピンクの服は着るな！」とつっかかッてみたかと思えば、辺りかまわず吐きまくったあげくにダウンする有り様。他人事のように眺めていたキョヌだったが、彼女が倒れる前にキョヌを見て「ダーリン」とつぶやいたため、彼氏と間違われ、介抱する羽目に…。こうしてキョヌと「彼女」の不思議な関係が始まるのだが、「彼女」は超強烈なキャラだった…。

韓国の人気ネット小説の映画化。原作の半分は作者の実体験が元になっているとか…。暴力女に気弱な男が振り回されるだけのラブコメディかと思いきや、それだけではなくギャグのような笑えるエピソードが満載なのに、ほろっときたり、ジーンと来たり切なくなったりする。それにしても、冒頭の酔った「彼女」は本当にすごい悪態。電車の中で吐くシーンは思わずこっちまで気分が悪くなる。周りに対して常に攻撃的で、すぐに暴力を振るう彼女。しかしストーリーが進むにつれ、時々見せる涙や気弱な表情にキョヌ同様に惹き込まれ、だんだん愛おしくなってくるから不思議。そして、お気楽ぐうたら大学生のキョヌも、彼女と出会った事で少しづつ変わって行く。最初見た時は本当に何も考えていないようなだらしのない大学生という感じなのに、暴力的な彼女を大きな優しさで包み込み、だんだん男らしくなって行く。
映画の中でキョヌも言っているように、「韓国の人はロマンチックなラブストーリーが好き」と言うだけあって、こんな突拍子もないラブストーリーもきちんとロマンチックに仕上がっているから驚きだ。
個人的にはとても好きな映画である。